大阪高等裁判所 昭和46年(ネ)93号 判決
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〔事実及び判決理由〕控訴人らは、神戸地方裁判所尼崎支部昭和四〇年(ワ)第五六九号建物収去土地明渡等請求事件について、昭和四五年一〇月二二日に言渡された原判決に対し、同年一一月九日同支部に控訴状を提出して本件控訴を提起したのであるが、原判決は、同年一〇月二四日、原審における控訴人両名及び原審共同被告株式会社広井商店(計三名)の訴訟代理人である弁護士奥平昌長に対してその正本が送達せられていた。以上の事実は記録上明白である。すると、原判決は、右正本の送達により、控訴人両名に対する送達の効力を生じたものというべきであるから、本件控訴は、その翌日から起算して、二週間の控訴期間を経過したのちに提起されたことが明らかである(もつとも、記録によると、原判決は、原審における控訴人両名のみの訴訟代理人である弁護士山口幾次郎に対しても、同年一〇月二七日に重ねてその正本が送達せられたことが認められるけれども、奥平代理人に対する送達によりすでに生じている控訴人両名に対する原判決の送達の効力が、のちになされた山口代理人に対する送達によりなんらかの影響を受けると解すべき理由はなく、山口代理人に対する送達は、判決送達の効力との関係においては、訴訟法上無意味なことがなされたにすぎないのであつて、右二重の送達が山口代理人をして控訴期間の起算日の判断を誤まらせる原因となりえたにしても、右両代理人が、代理人相互及び控訴人両名との間で、当然行われるべき連絡を十分とつておりさえすれば、奥平代理人に対する送達により同月二四日に判決送達の効力を生じていたことは、控訴人両名及び山口代理人においても容易に気付くことができた筈のことがらであり、本件は控訴人らがその責に帰すべからざる事由により控訴期間を遵守できなかつた場合にもあたらず、その追完を考慮する余地もない。
従つて、本件控訴は、控訴期間遵守の要件を欠く不適法な控訴であり、かつその欠缺を補正することができないから、これを却下すべきものとし、民事訴訟法第三八三条、第三六六条第一項、第九五条、第八九条、第九三条を適用して主文のとおり判決する。
(宮川種一郎 林繁 平田浩)